「十分」と「充分」の意味の違い
【十分・充分】満ち足りていて、何も不足していない状態
「十分」と「充分」は「ジュウブン」と読み、どちらも「満ち足りていて不足がない様」という同じ意味を持っています。
文化庁によると、本来使う表記は、字画も少なく教育漢字である「十分」であり、「充分」はあて字であるとされています。
よって、明確な使い分け方はありませんが、基本的には「十分」を使うようにしましょう。
ただし、「十分(ジップン)」の意味と混同しやすい点には注意が必要です。
例えば、「この肉は、料理するときには十分焼きましょう」という文章があった時、「十分(ジップン)焼く」のか「十分(ジュウブン)焼く」のか、わかりにくいからです。
このように混同してしまう時は、「十分」ではなく「充分」を使った方が意味を正確に伝えられます。
「十分」の使用例
- 予備の道具は十分に揃えてある
- 事前に十分な説明がないまま物事を進められるのは不安だ
- 十分な運動と睡眠をとることが大切だ
- 昨日は十分に休んだので、すっかり元気になりました
「充分」の使用例
- 充分加熱しておかないと、美味しくならない
- 夕食を作るには充分な量の食材だと思う
- 充分に納得できるとは決して言えない説明会だった
- 明日の文化祭のために、充分な準備をしてきた
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年8月24日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年8月24日).
- 文化庁「第5期国語審議会」.<https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/05/bukai02/06.html>
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