「反面」と「半面」の意味の違い
【反面】普通に見られる面とは反対の面
【半面】物事の片方の面
【半面】物事の片方の面
「反面」と「半面」はどちらも「ハンメン」と読みますが、意味が異なります。
「反面」には、「普通に見られる面とは反対の面」という意味があります。
「反面」の「反」には「正反対の。逆の。」という意味があるため、「正反対の面」という意味になります。
一方、「半面」には、「物事を二つに分けたうち、一方の面」という意味があります。
「半面」の「半」には「二つに分けた一方」という意味があるため、「一方の面」という意味になります。
よって、「反面」は「普通に見られる面に反した面」という対比を表す言葉ですが、「半面」は「物事の片方の面」という対照を表す言葉だと把握しておくと、意味の違いを覚えやすいです。
ただ「反面」と「半面」の「普通に見られる面に反した面」と「物事の片方の面」が同じ面の場合もあり、意味が重なっている部分も多く、「半面」の大きな意味の中に「反面」という意味が入っています。
そのため、新聞紙面では、「反面」と本来は使う方がより良い場合でも、「反面教師」「反面調査」という言葉を除き、「半面」という表記に統一されています。
「反面」と「半面」の使い分けに困った場合は、「反面教師」「反面調査」という言葉を除いては、「半面」という言葉を使った方が無難です。
「反面」の使用例
- 教師としては、生徒たちの卒業は寂しい反面、誇らしくもある
- 彼は明るい反面、落ち込みやすい性格でもある
- 上司は厳しい反面、仕事ができる人なので側で見ていて勉強になる
- 宇宙は美しい反面、恐ろしさもある
「半面」の使用例
- 私たちは、まだ真相の半面にしかたどり着いていないのかもしれない
- 問題の半面しか見ていないので、いつまで経っても解決できない
- 投資はリスクが高い半面、その分のリターンを得られる
- 私は外では活発に交流する半面、普段は大人しく過ごしている
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月2日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月2日).
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