「実体」と「実態」の意味の違い
【実体】物事の本当の姿
【実態】物事の実際のありさま
【実態】物事の実際のありさま
「実体」と「実態」はどちらも「ジッタイ」と読みますが、意味が異なります。
「実体」には、「物事の本当の姿」という意味があります。
「実体」の「実」には「ほんとう。ありのまま」という意味があり、「体」には「おおもと。もとになるもの」という意味があるため、「本当の姿」という意味になります。
「正体」と言い換えることもできます。
一方、「実態」には、「物事の実際のありさま・状態」という意味があります。
「実態」の「実」は前述の通り「ほんとう。ありのまま」という意味があり、「態」には「ようす。ありさま」という意味があるため、「実際のありさま・様子」という意味になります。
「現状」と言い換えることもできます。
このように、「体(大元)」と「態(ありさま・様子)」の意味に注目することで、それぞれの意味の違いを把握しやすくなります。
「実体」の使用例
- 実体がつかめないものには恐怖を感じる
- 金融経済と対比されるのが実体経済だ
- 電子マネーには実体がないからこそ、使い過ぎには注意が必要だ
- 問題状況の実体がつかめきれず、困っている
「実態」の使用例
- 生活の実態調査が行われた
- 学校での過酷な労働環境の実態を明らかにしたい
- 賃金が停滞している問題に対し、その実態と原因を調べている
- 共働き家庭の実態を知り、その過酷さに驚いた
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月10日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月10日).
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