「重症」と「重体」の意味の違い
【重症】重い病・症状がとても悪いこと
【重体】けが・病がとても重く命にかかわること
【重体】けが・病がとても重く命にかかわること
「重症」は「ジュウショウ」と読み、重い病・症状がとても悪いという意味があります。
一方「重体」は「ジュウタイ」と読み、負傷や病が重く命に関わることという意味があります。
「重症」と「重体」の違いは、大きく2つあります。
1つは、怪我の状態で該当するかという点です。「重症」は病や症状に対して悪い状態に使われる言葉であるため、怪我の状態には基本的には使わず、怪我の状態で使う場合は「重傷」が使われます。
その点、「重体」は病気や怪我に関わらず、重く命に関わる状態の場合に使われる言葉です。
ただ消防では怪我や病気に関わらず「重症」という漢字を使用しており、実生活での使われ方としては、曖昧な部分もあります。
2つめは、今まさに命に関わるかという視点です。どちらの言葉も体の具合に関わるので命との関わりのある言葉ですが、「重体」は今まさに生きるか死ぬかという生命の危険にあることを意味しています。
その点では「重症」は、医師のもと治療や介助を継続していくという段階であると言えます。
なお「重症」は、下述の「大恋愛の末の失恋で重症だ」のように、比喩的表現でも用いられます。
「重症」の使用例
- 重症の入院患者
- 彼女のギャンブル依存は重症だ
- 重症の人が優先される
- 大恋愛の末の失恋で重症だ
「重体」の使用例
- 交通事故で重体の状態で病院へ運ばれた
- 重体からの見事な回復
- 意識不明の重体
- 重体患者の緊急手術
当記事の参考文献
- 編 新村出 (2018)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年8月28日).
- 小学館 例解学習 国語辞典 第十版 金田一京助 編 深谷圭助 編集代表.
- 名鏡国語辞典 第三版 北原保雄 編,大修館書店.
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