「内蔵」と「内臓」と「臓器」の意味の違い
【内蔵】内部に持っていること
【内臓】体内にある器官の総称
【臓器】内臓の器官
【内臓】体内にある器官の総称
【臓器】内臓の器官
「内蔵」と「内臓」は「ナイゾウ」、「臓器」は、「ゾウキ」と読みます。
似たような意味に捉えられがちですが、それぞれ意味が異なります。
「内蔵」には、「その物の内部に持っていること」という意味があります。
「内蔵」の「内」には「一定の範囲のなか。うち」という意味があり、「蔵」には「かくす」という意味があるため、「内に隠し持つ」という意味になります。
一方、「内臓」には、「動物の体内にある器官の総称」という意味があります。
「内臓」の「臓」に「動物の体内にある諸器官の総称」という意味があるため、このような意味になります。
「諸器官」が指すのは、具体的には「呼吸器(気管・気管支、肺)」「消化器(食道、肺、腸など)」「泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)」で、それらの総称を「内臓」といいます。
そして「臓器」には、「動物の内臓の器官」という意味があります。
「臓器」の「臓」には「はらわた」という意味があり、「器」には「体内で特定のはたらきをもつ組織」という意味があるため、「内臓の器官」を指す言葉として使われています。
つまり「臓器」は、消化器や循環器系、呼吸器系、泌尿器系、感覚器系など、内臓にある一つ一つの器官を指しています。
「内蔵」は物に対して使われる言葉ですが、「内臓」と「臓器」は動物の体内に関わる言葉として使われます。
これは「臓」の部首である「月(にくづき)」が、肉や人の身体に関する漢字に使われるからです。
このように一つ一つの漢字や部首の意味に着目することで、それぞれの意味の違いを把握しやすくなります。
「内蔵」の使用例
- このスマホには、高画質のカメラが内蔵されている
- この店舗には格安で良質な内蔵HDDが販売されている
- この機器には内蔵スピーカーがついているので、通話も可能です
- リチウム電池を内蔵した携帯型電子機器は発火のリスクに注意が必要だ
「内臓」の使用例
- 五臓六腑と言われるものが内臓である
- 内臓脂肪を落とすのはとても大変だ
- 皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が糖尿病のリスクが高い
- 内臓痛には継続的な痛みがあるが、しばらくすると治ることが多い
「臓器」の使用例
- 臓器提供の意思表示には、年齢制限がありません
- 難病患者のために、日本臓器移植ネットワークが存在している
- 人間の臓器の動きは研究すればするほど面白い
- 臓器売買は法律で厳しく禁止されている
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月14日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月14日).
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