「斟酌」と「忖度」の意味の違い
【斟酌】相手の事情をくみ取り、取り計らうこと
【忖度】相手の気持ちを推し量ること
【忖度】相手の気持ちを推し量ること
「斟酌」は「シンシャク」と読み、「相手の事情や気持ちをくみ取り、程よく取り計らうこと」という意味があります。
「斟酌」の「斟」には「くみ取る。推し量る」という意味があり、「酌」には「人の気持ちや事情をくみ取る」という意味がありますので、「相手の事情や心情をくみ取り、程よく取り計らうこと」という意味になりました。
一方、「忖度」は「ソンタク」と読み、「相手の気持ちを推し量ること」という意味があります。
「忖度」の「忖」と「度」には、どちらにも「はかる。おしはかる」という意味があるため、「相手の気持ちを推し量ること」という意味になります。
「斟酌」は、相手の事情や気持ちを推し量った上で「取り計らう」という行動を起こしますが、「忖度」は相手の気持ちを推し量るだけです。
現在は「忖度」にも「程よく取り計らう・配慮する」という意味が含まれていると勘違いしている人が多いので、「斟酌」との意味の違いに注意が必要です。
「斟酌」の使用例
- ユーザーの意見を斟酌し、サービスの改善・向上につなげていきたい
- 注意喚起をするときは斟酌せずにはっきりと伝えた方がいい
- 個人のレベルに応じて会員費が斟酌されるのは仕方がないことだ
- 若年であることを斟酌した上で結果を出したい
「忖度」の使用例
- 取引先に忖度して、デザインの方向性を一部変更した
- 多忙な先輩に忖度し、先回りして仕事を巻き取った
- 一番生産性のある場とは、忖度のない会議だ
- 時には忖度せずに率直な意見をぶつけることも大切です
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月6日).
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月6日).
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