「方策」と「対策」の意味の違い
【方策】物事を処理するための方法や手段
【対策】相手の出方や事件の成り行きに応じた方法や手段
【対策】相手の出方や事件の成り行きに応じた方法や手段
「方策」は「ホウサク」と読み、「物事の処理のための方法・手段」という意味があります。
一方、「対策」は「タイサク」と読み、「相手の態度や事件の成り行きに対応して取る方法・手段」という意味があります。
「方策」には「何かが起こる前に事前に決めておくもの」という意味合いがあり、「対策」は「何かが起こった後にそれに応じて立てるもの」という意味合いがあります。
つまり、「方策=マニュアル」、「対策=措置」であると認識しておくと、意味の違いを覚えやすいです。
また、古代中国では、この二つの言葉は別の意味で使われていました。
「方策」は、「方」が「木の板」、「策」が「竹簡」という意味から、「文書・記録」という意味で使われていました。
「対策」は、「木の札である策に書かれた問題にこたえる」という意味から、「中国の官吏登用試験における受験者の答案」という意味で使われていました。
「方策」の使用例
- 売上目標達成のための方策を立てなければならない
- 社長からの命令で、活発的な組織作りの方策を講じなければならない
- 多くの方策の中から、今の状況にあった最適なものを選択していきたい
- 一人でなんとかしようと奮闘してきたが、とうとう方策が尽きてしまった
「対策」の使用例
- 同じ問題が起こらないように念入りに対策を立てる必要がある
- 災害対策への国民の意識は高まりつつある
- 製造会社に勤める上で、工場の安全対策はしっかり学ぶ必要がある
- 激動の時代である今、気候変動や飢餓対策を急ぐ必要がある
当記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月1日).
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