「創作」と「造作」の違い

「創作」と「造作」の違い

「創作」と「造作」の意味の違い

【創作】はじめて創りだされたもの・真実を偽ったこと
【造作】つくること・つくり・家を建てること・家の内部の仕上げ

 

創作」は「ソウサク」と読み、初めて創り出すことやその作品という意味があります。

例えば、日本の伝統芸能の歌舞伎においては、古くから代々受け継がれた”古典もの”と、当代の役者が自分の感性と創造で完成させた”創作もの”というジャンルがあります。

創作」とは自分が初めて世に出すものであり、自分にしか創り出すことができないものです。

また、「創作」には、頭で考えた嘘偽りという意味もあります。これもまた、自分で創ったこと・真実ではないこととして使われます。

一方「造作」とは「ゾウサク」と読み、つくること家を建てること・その内部の仕上げという意味があります。

ゾウサク」は家を建てる工程天井・床・鴨居・建具などの総称としても使われます。

また、つくるという意味もあり、顔のつくり目鼻立ちを指す比喩表現としてもしばしば使われます。

ちなみに「造作」は「ゾウサ」とも読み、「ゾウサ」と読む場合は、手間や費用がかかること・面倒なことという意味です。

現代では、「〇〇なんて造作ないよ」と打ち消しの用法で使い、”簡単なことだ・手間がかかることではない”という意味で使うのが一般的でしょう。

また、「ゾウサ」という読み方でごちそう・もてなしという意味もあります。手間やお金をかけてするもてなしという意味でも使われます。

「創作」の使用例

  • ここが今の創作活動の拠点です
  • 創作の原点は故郷での暮らしだ
  • この場所はワクワクして創作意欲が湧いてくる
  • 容疑者の供述は創作だった

「造作」の使用例

  • 家の造作が悪い
  • 造作工事を任された大工
  • こだわりの造作家具をこしらえてもらう
  • 顔の造作も整っている

当記事の参考文献

  • 編 新村出 (2018)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年8月25日).
  • 小学館 例解学習 国語辞典 第十版 金田一京助 編 深谷圭助 編集代表.
  • 名鏡国語辞典 第三版 北原保雄 編,大修館書店.
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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