「懐古」と「回顧」の意味の違い
【懐古】昔を懐かしむこと
【回顧】昔の事を思うこと・過去を顧みること
【回顧】昔の事を思うこと・過去を顧みること
「懐古」と「回顧」はどちらも「カイコ」と読みますが意味は異なります。
「懐古」とは、昔の事を思い出し懐かしく思うことという意味があります。「懐古」は、ただ”思い出す”ことにとどまらず、懐かしいという気持ちを伴い、感情が動くことも表しており、いい思い出を懐かしむ要素が強いです。
また、「懐古」とは、”昔”と言える程の一定の期間が過ぎた過去を思い出すことであり、自身の経験を懐かしく思い出すことです。
一方、「回顧」とは、昔の事を思ったり、思い出すこと・過去を顧みることという意味があります。
”顧みる”とは、過ぎ去ったことを思い起こし考える・後ろを見る・振り返ることを意味する言葉です。
そのことからも「回顧」とは、過去の事柄の振り返りを指し示す言葉だという事が分かるでしょう。また、「回顧」には懐かしく思うという意味はなく、感情を伴わず、良い悪いに関わらず、過去の事実を客観的に振り返る際に使われます。
上述のように、「懐古」とは自身の昔の経験を懐かしく思い出すことであり、「回顧」とは過去の事実を顧みることと言えるでしょう。
「懐古」の使用例
- 祖父・祖母との暮らしを懐古し涙する
- 学生生活を懐古するにはまだ年月が浅い
- 懐古の念が湧きあがってまいりました
- 彼に懐古趣味な部分がある事が意外だった
「回顧」の使用例
- その場での会議の内容を回顧する
- 自身の回顧録で確かめる
- 回顧することで未来へのヒントがある
- プロジェクト発足から成功までを回顧する
当記事の参考文献
- 編 新村出 (2018)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 名鏡国語辞典 第三版 北原保雄 編,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月日).
- 小学館 例解学習 国語辞典 第十版 金田一京助 編 深谷圭助 編集代表.
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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